またダイエットには、目標よりも集中すべき大事なことがあります。
今回は、私のダイエットへの考え方を大きく変えてくれた本を紹介します。
目次
目標は成果を左右しない
ある日たまたま読んだ本に書かれていた一文に、衝撃を受けました。
わたしたちは最後に勝った人、つまり勝者に注目し、野心的な目標が成果をもたらしたと錯覚する。そして、同じ目標を持っていた他の人たちが全員負けたことを見過ごしてしまう。
どのオリンピック選手も金メダルを獲りたいと願っている。また、どの志望者も職を得たいと願う。成功する人としない人の目標が同じならば、目標が勝者と敗者の違いだということはできない。
目標が成果を左右するのであれば、金メダルを獲った人の目標だけが優れていて、銀メダルだった人の目標は劣っていたのでしょうか。必ずしもそうではないはずです。
「勝者も敗者も目標は同じ、どちらも目標自体に差はない」という事実に目からウロコでした。
つまりダイエットに挑戦して痩せた人も痩せられなかった人も、目標自体に大差はなかったはずなのです。それなのに、なぜ片方は痩せ、片方は痩せられなかったのでしょうか。
私はダイエットを始めるにあたって、何の疑問にも思わず目標を設定しました。しかし、この目標に本当に意味があるのだろうかと考えることになりました。
「複利で伸びる1つの習慣」が私のダイエットを変えました
さて先の引用元はどこかというと、こちらの「複利で伸びる1つの習慣」という本です。
この本が、私のダイエットに対する考え方を大きく変えてくれました。
タイトルにあるようにこれは習慣化についての本であり、ダイエットの本ではありません。事例としてダイエットが挙げられている箇所はありますが、あくまでも習慣化について書かれている本です。
しかし、ダイエットに習慣化は不可欠です。何かを習慣化するためにどうすれば良いか、行動や考え方など大いに参考になります。
そして何より、習慣化よりも前に考えるべきこと…目標設定や行動を変えるための考えの部分が私にはズバズバと刺さりました。
特にこの2点にはものの考え方をひっくり返されました。
- 目標設定ではなく仕組みに集中する
- 目標は幸福を制限する
今回はこの2点について詳しく見ていきます。
結果を変えたいならば、目標ではなく仕組みに集中する
「目標設定ではなく仕組みに集中する」とはどういうことでしょうか。
本書では「結果は設定した目標とは関係なく、取り入れた仕組みに左右される」と書かれています。
先程挙げた、勝者と敗者に目標の差はないという話はこの話と繋がっています。
もちろん、目標設定が全くの無意味というわけではありません。目標には方向を定める効果があります。
しかし目標は、何かを一時的に変える効果しかありません。本当に変えるべきは「結果をもたらす仕組み」なのです。
目標達成は生活を一時的に変えるにすぎない。これは改善について考えるとき、直観に反する考え方だろう。
わたしたちは結果を変えなければと思いがちだ。しかし結果は問題ではない。本当に変えなければならないのは、結果をもたらす仕組みである。
結果レベルで問題を解決すると、一時的に解決するだけだ。永久に改善するためには、仕組みレベルで問題を解決する必要がある。
例えばダイエットならば、「毎日運動する」「間食はしないようにする」という目標を立てたとします。そして、「毎日運動する」「間食をしない」という結果、そしてさらにその先にある「痩せる」という結果を得ようとします。
しかしこの目標は、一時的に生活を変えるだけで終わってしまいます。一時的に変えられたとしても、いつしか運動はしなくなり、間食は復活し、とリバウンド一直線です。
そうならないためには目標ではなく「仕組みをつくる」事が大事です。
「毎日運動するための仕組みをつくる」「間食をしなくても済むような仕組みをつくる」と仕組みに集中することで、仕組みから問題を解決し、結果を変えていきます。
結果を変えたいならば、目標ではなく仕組みを変える、集中する!
これをまず意識することがとても大切です。
仕組み第一主義ならば、いつでも幸せになれる
さらに目標には「目標を達成したら、幸福になれる」という暗黙の了解があります。私も当たり前のようにそう思っていました。
ですが本書は「目標は幸福を制限する」というのです。私は今までの人生、そんな風に考えたことは一度もありませんでした。
目標は「二者択一」という対立を生み出します。
つまり目標があることで、「目標を達成して成功するか、達成できずに失望するか」のどちらかしか選べなくなってしまいます。
これは幸福の意味を狭くしている、つまり「幸福が制限されてしまう」のです。
結果よりプロセスを心から大切に思うとき、幸福になるのに待つ必要などない。仕組みが進んでいれば、いつでも満足できる。
この一文が、私のダイエットを大きく変えました。今でも毎日この文章を目に入れるようにしています。
結果だけに集中すると、結果が得られるまでは幸福が先送りされてしまいます。
しかしプロセス=仕組みに集中することで、「今日は取り組めたぞー」という幸せと満足感を毎日得ることが出来ます。幸福になるのに待つ必要がなくなるのです。
これは本当にすごいことです。ダイエット中なのに、痩せなくても満足なのです。
結果だけしか見えていないと、体重が増えた減ったに振り回されてしまいまい、幸福になるどころか毎日不幸になりかねません。
それは辛いですし、何より恐ろしいのは「目標を達成したのに、幸せと感じられないこともある」ということです。痩せた先に幸せがあるかどうかなんて、その時になってみないと分からないのです。
「目標を達成したら、幸福になれる」と信じて目標を達成したのに、まさかそこに幸福すらないなんてことになったらどうなるか…。想像するだけで悲しくなりますね。
仕組みは自分でコントロールできる
仕組みに話を戻しますが、私の場合は「筋トレやリングフィットを続ける環境を作っている」ことが「仕組み」です。
具体的には、Twitterで他の人からモチベーションをもらったり、このブログを書いたり、アプリで記録を付けたり…といったところでしょうか。
そして、この仕組みを続けていることそのものが私にとっての「幸福、満足」です。
体重の目標値も一応あるにはありますが、今となっては方向を定める程度の役割となっています。
ところで仕組みに集中するメリットが幸福感以外にもう一つありまして、それは何かというと「自分で成果をコントロールできる」ことです。
体重は、自分ではどうにもコントロールできません。何も食べていなくても増えることもあれば、どか食いしても減っていることも少なくありません。
体重の動きって本当に意味不明ですよね。コントロールできないものに振り回されるのは、疲れてしまいます。
しかし、仕組みは自分で成果をコントロールできます。やったかやらなかったか、自分次第です。
自分でコントロールできる仕組みを取り入れて、それを幸せだと感じること。
これが、私がダイエットを、リングフィットを毎日楽しく続けられるようになった秘訣です。
本当に良い本なので、何かを習慣化したい人にはオススメです
今回は目標と仕組みについて書きましたが、「仕組みを習慣化するためにはどうする?」についても当然しっかり書かれています。
ダイエットに限らず、何か習慣化したいことがある、行動を変えたいことがある人は読んで損はないと思います。
引用したい部分が多すぎて、この記事ではいい部分を全然伝えきれていません。
オーディオブックでも発売されているようなので、分厚い本を読むのは辛いという人はそちらも検討してみてはいかがでしょうか。
余談ですがKindleで買ったら、参考文献の説明(+文献についての解説)で15%も食っていて笑ってしまいました。これはもはや参考文献ではなく読み物の一部…。